弾いてみれば目からウロコのナイス・サウンド!!74年頃生産のJ-50の入荷です!!
J-45のナチュラル・フィニッシュ・バージョンとして1942年に発表され、1947年頃から本格的な生産が始まったJ-50。J-45と並んで多くのミュージシャンから愛され、その時々のサウンドを数多くの名盤に残してきたギブソンを代表するもう一つの顔です。J-45同様、その時々の流行り廃りに合わせて様々なマイナー・チェンジが行われてきたJ-50。それぞれの時代のそれぞれのスぺックから成るサウンドにはそれぞれの魅力があり、一つのモデルとして括るには難しいバラエティーに富んだサウンドがあります。今回入荷は74年頃の個体。70年代のギブソンはダブルXブレーシング構造になる事や、J-45/50の場合スクウェア・ショルダーになってしまうため、ルックス面からもギブソン・ファンにはイマイチ敬遠されがちですが、弾いてみれば驚きのバランスの良いサウンドが魅力です!
スプルースTOP、マホガニーSIDE&BACK、マホガニー3ピースNECK、ローズウッド指板&ブリッジ、ダブルXブレーシング、実測43.9mmナット、25.5インチ・スケールの16インチ・スクウェア・ショルダー。70年代前半のティア・ドロップPG期のJ-50は確かにかっちょ悪いですが(笑)、ラージ・ガードに戻ってからのスクウェア・ショルダーはこれはこれで個性的でカッコいいと思うのは私だけでは無いはずです!因みにネック材は74年途中までがマホガニーNECK、それ以降がメイプルNECKという事になっていて、ラージ・ガードは75年からとされています。こちらの個体はマホ・ネックでラージ・ガードなので74年~75年に掛けての過渡期的なスペックになる為、74年頃と表記しましたが、75年製の可能性も高いです。ポール・ウェラーの愛器としても知られるJ-45もこの頃のスクウェア・ショルダーですから、このルックス、この仕様をお探しの方も居るに違いありません!
サウンドはハイからローまでバランスよく音が出ていて、ボリューム感も有るパワフルなサウンド!一般的に70年代ギブソンは音が出ないという認識を持っている方が多いですが、決してそんな事はありません。ダブルXブレーシング構造により、ローがややタイトになり、ギブソン特有の暴れる感が少し大人しくなるため、ギブソン・ファンからは敬遠されがちですが、サウンド・バランスは非常に良く、全体的なまとまりもあり、ボリューム的にも60年代ギブソンと比べても引けを取らないと思います。60年代ギブソンのようなクセの強いサウンドから比べると、少し優等生的なサウンドに感じられると思いますが、これはこれで逆に色んなジャンルに適応出来るオールマイティーなサウンドと言えるでしょう。使ってみると意外に使いやすいサウンドかと思いますよ!フラットピックで掻き鳴らせば、ある程度まとまり感のあるサウンドながら、ギブソンらしい適度に暴れる荒削り感もあるサウンドが得られますし、フィンガーで爪弾いても反応が良くハイからローまでバランスの良い適度なサスティーンを伴ったサウンドが得られますので、意外にオール・ジャンルOKなマルチなサウンドかと思います!
楽器のコンディションは年式から考えるとキズも少なくプレイ・コンディションも上々の素晴らしいコンディションです!特筆すべきはネック・アングルの良さとバインディング!ネックはリセット済みで理想的なネック・アングルになっています。そしてもう一つの特筆ポイントはバインディング。通常この年代のJ-50のバインディングはべっ甲柄で、経年に因りグズグズに崩れてくるバインディングが使われていますが、こちらの個体のバインディングは上位機種のサザン・ジャンボと同じブラック・バインディングが使用されています。なので崩壊の心配も無く、非常に綺麗な状態を保っています。バインディングは巻き直しではなくオリジナルです。色々調べてみるとこの年代のJ-50はブラック・バインディングの個体も稀にあるようですね。ブリッジは新しいモノに交換されていますが、形状や厚みなど、オリジナルの雰囲気のまま交換されていますので、言われなければ分からないレベルかと思います。また、この年代のギブソンに付きもののPGの内側に沿って入るクラックは、サウンドホールを挟んで上下にありますが、しっかり接着修理されています。キズに関しては小キズは当然散見出来ますが、年式から考えるとかなり少なく自然なキズばかりですので、70年代物ビンテージとして見れば相当綺麗なコンディションと言えるでしょう。
ネックはリセット済みでネック・コンディションも良好で綺麗にストレート、現状での弦高は12フレット上で6弦側2.5mm、1弦側2.0mm程度とベストなセッティングになっています。サドルにもまだ余裕がありますので、更なる弦高の微調整も可能です。フレットはローフレットを中心にそこそこ減っていますが、一番減っている箇所でもオリジナルの6~7割程度の高さが残っていますので、まだ当分はリフレットの必要も無いでしょう。
弾いてみれば意外に使える70年代ギブソン。食わず嫌いだった方にも是非お試し頂きたいですね!本国アメリカでは70年代ギブソンの評価も上がってきて高騰し始めているようなので、この年代は今が買い時ですよ!
オリジナル・ハード・ケース付き
SN:A000469