驚くほど目の詰まったド柾目ハカランダが使用されたマスター・ドレッドノート!!
数あるジャパン・ビンテージ・ブランドの中でもとりわけ稀少性が高く、探しているファンが絶えない伝説のブランド、マスター。マスターはお茶の水の老舗中の老舗、カワセ楽器さんのオリジナル・ブランドで、その生産は1960年代にまで遡ります。今のように大手楽器店が勃興する前の時代からカワセ楽器さんはプロ・ミュージシャンも御用達のアコギ弾きにとっては憧れのプロ・ショップでした。そんなカワセ楽器さんが、マーチンやギブソンにも負けないクオリティーの高いギターを目指し、国内で製造販売していたのがマスター・ブランドです。当時の雑誌広告など見ると、実際に多くのプロ・ミュージシャンにも愛用されていたようです。今回入荷はそんなマスター・ブランドの中でも比較的初期の頃の1974年に作られた1本。SIDE&BACKに使われたハカランダはビックリするくらい綺麗なド柾目のハカランダで、今となっては贅沢極まりないスペックの逸品です!
ソリッド・スプルースTOP、ソリッド・ハカランダSIDE&BACK、マホガニーNECK、エボニー指板&ブリッジ、ノン・スキャロップ・ブレーシング、実測44mmナット、645mmスケールのドレッドノート・ボディー。ネック幅は計ってみると44mmとそこそこありますが、細めのUシェイプで、見た目も握った感じも70年代マーチンなんかよりは細く感じます。マスターのギターは1本1本微妙にスペックが違いますが、こちらの個体はヘッドに入れられたインレイやポジション・マーク、マスターお得意のブリッジの手裏剣インレイなどから、上位機種として作られたカスタム・モデルかと思われます。何といってもSIDE&BACKに使われたハカランダは50年代マーチンも真っ青なド柾目ハカランダなのに驚かされます!
そのサウンドはパワフルでアタッキーなハカランダ・サウンド!バリンと音が立ち上がり、硬質なサスティーンを伴ってラウドなサウンドを響かせます。フラットピックで掻き鳴らせば、ちょっとうるさいくらいのパワフル・サウンドをご堪能頂けます。かなりブライトでエッジ感の強いサウンドですが、目の詰んだ柾目のハカランダらしく低音もゴンゴンと野太く鳴ってくれ、重厚で密度の高いサウンドになっています。フィンガーで爪弾いた時にはしっかりと発音されるローに煌びやかなハイが絡むブライトなサウンドがなんとも心地よく、一音一音がつるんと艶のある倍音に包まれて透明感のある美しく広がるサウンドをご堪能頂けます!
楽器のコンディションは年式なりの小キズや使用感、経年感などありますが、クラック等は無く、70年代マスターとしてはかなり良い状態を保っています!ボディー・トップには打痕や擦り傷、ピッキングキズなど盛大に付いていて、SIDE&BACKにもそれなりのキズが点在していますが、ほとんどが自然なキズばかりすので、ビンテージ物として見ればまぁこんなものかと思います。ブリッジ下に付いている2cmくらいのザクッとした線状のキズはやや気になるかな~?くらいな感じです。ボディー・サイドには所々ジャパン・ビンテージに付きものの塗装の白濁傾向も見られますが、こちらも自然な感じでそんなには気にならないかと思います。
ネック・コンディションも良好で概ねストレート、現状での弦高は12フレット上で6弦側2.5mm、1弦側2.0mm程度とベストなセッティングになっています。サドルにはもうほとんど余裕がありませんが、もう少しだけなら弦高も落とせそうです。フレットは全体的に減っていて、オリジナル時の6割程度の高さになっていますが、現状ビビリもありませんので、まだ当分はリフレットも必要ないかと思います。
マスターのギターをお探しの方はもとより、ハカランダ単板物としても破格の逸品!何せこんな見事なハカランダは近年そうそうお目に掛かれないかと思います!
ケースはカワセ楽器のエンブレムが付いたハード・ケースが付属しますので、こちらもオリジナルかと思われます。
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