非常に珍しい12フレット・ジョイントのマスター!!ネック・リセット済みでプレイヤビリティー抜群の1本です!!
数あるジャパン・ビンテージ・ブランドの中でもとりわけ稀少性が高く、探しているファンが絶えない伝説のブランド、マスター。マスターはお茶の水の老舗中の老舗、カワセ楽器さんのオリジナル・ブランドで、その生産は1960年代にまで遡ります。今のように大手楽器店が勃興する前の時代からカワセ楽器さんはプロ・ミュージシャンも御用達のアコギ弾きにとっては憧れのプロ・ショップでした。そんなカワセ楽器さんが、マーチンやギブソンにも負けないクオリティーの高いギターを国内で製造販売していたのがマスター・ブランドです。当時の雑誌広告など見ると、実際に多くのプロ・ミュージシャンにも愛用されていたようです。今回入荷はそんなマスター・ブランドの中でも非常に珍しい12フレット・ジョイントの1本!残念ながらボディー内の製造年月シールが無くなっていて正確な製造年は判りませんが、ネック・ブロックに型番が焼き印される前の70年代前半~中頃の個体かと思われます。
ソリッド・スプルースTOP、ソリッド・ハカランダSIDE&BACK(バック3ピース)、マホガニーNECK、ローズウッド指板&ブリッジ、ノン・スキャロップ・ブレーシング、実測47mmナット、645mmスケールの12フレット・ジョイント・ドレッドノート・ボディー。ネックはやや幅広のUシェイプで、70年代マーチンのSボディーなんかに比べると気持ち細めの印象です。マスターのギターは1本1本微妙に仕様が違ったりするのも面白いところですが、12フレット・ジョイントが存在したとは驚きです。SIDE&BACKのハカランダもハカランダらしいうねりのある黒い杢目の入った柾目で、今となっては贅沢極まりない仕様になっています!
そのサウンドはパワフルでアタッキーなハカランダ・サウンド!バリンと音が立ち上がり、硬質なサスティーンを伴ってラウドなサウンドを響かせます。14フレット・ジョイントのマスターに比べるとやはり中低域のふくよかさは感じますが、、やっぱりかなりバリンッと鳴ります(笑)。フラットピックで掻き鳴らせば、ちょっとうるさいくらいのパワフル・サウンドをご堪能頂けます。かなりブライトでエッジ感の強いサウンドですが、Sボディーならではの低音もゴンゴンと野太く鳴ってくれ、重厚で密度の高いサウンドになっています。フィンガーで爪弾いた時にはしっかりと発音されるローに煌びやかなハイが絡むブライトなサウンドがなんとも心地よく、一音一音がつるんと艶のある倍音に包まれて透明感のある美しく広がるサウンドをご堪能頂けます!
楽器のコンディションは、いくらかのクラック修理跡が確認出来ますが、ネックはリセット済みで、弾く為の楽器としてばっちり調整が行き届いています。まずトップの1弦側ブリッジ下からエンド部までクラック修理があります。見る角度によって白い筋に見え少し目立ちますが、汚れは入っていないので、見る角度によっては周りのウェザーチェックと相まってほとんど気にならないかと思います。裏からは補強のクリートも打たれていますので、強度的な心配もありません。また、バックのセンターのハカランダには大小3本のクラックがありそれぞれがっちり接着修理されています。ネック・ヒール部下から20㎝程のクラック、その下に5cm程のクラック、ボディー・エンド部から上に向けて15㎝程のクラック修理がありますので、クラックがほぼ縦断している感じですが、修理自体は丁寧にがっちりと補強されていますので、強度的な心配は無いでしょう。その他年代相応のウェザーチェックや弾きキズ、打痕等ありますが、トータルで判断すれば、この年式のマスターとしてはまずまず綺麗な方なんじゃないかと思います。
ネック・コンディションは良好で綺麗にストレート、現状での弦高は12フレット上で6弦側2.5mm、1弦側1.8mm程度と非常に弾き易いセッティングになっています。サドルにもまだ充分な余裕がありますので、更なる弦高の微調整も可能です。フレットは全体的に減っていますが、まだ6割くらいの高さが残っていますので、当分はリフレットの心配も無いでしょう。
当店ではマスターのギターを数多く扱ってきましたが、12フレット・ジョイントは初めて見ます!Sボディー好きの方にもオススメですし、ハカランダ単板物としても格安の逸品かと思います!
ケースはカワセ楽器のエンブレムが付いたオリジナルのハード・ケースが付属します。