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今となっては非常に稀少なアメリカン・ルシアー、ランディー・ルーカス氏に因るケニー・スミス・モデル！！
ランディー・ルーカスは1988年にLucas Custom Instrumentsを設立し、ブルーグラッサーを中心に評判を呼んだアメリカのギター・ルシアーです。2000年代頃までは年間数本と言う少量生産ながら、高品質なギターを製作していましたが、現在ではアディロンダック・スプルースのサプライヤーに転身、自身のギター製作活動は休止状態になっています。今回入荷は2001年製のケニー・スミス・シグネイチャー。アメリカのブルーグラス・プレイヤー、ケニー・スミスの為に製作されたシグネイチャー・モデルになります。
アディロンダック・スプルースTOP、ホンジュラス・マホガニーSIDE＆BACK、ホンジュラス・マホガニーNECK、エボニー指板、ハカランダ・ブリッジ、スキャロップ・ブレーシング、実測44.4ｍｍナット、25.4インチ・スケールのドレッドノート・ボディー。いわゆるマーチンのD-18スタイルですが、美しく輝くトーチ・インレイやべっ甲柄セル・バインディングに縁取られたヘリンボーン・トリムなど、本家マーチンとは一味違う、手工品ならではの美しい仕上がりになっています！
サウンドはパンチのある力強いサウンドの中に、マーチンのような音の弾力性も感じられ、非常に完成度の高いサウンドになっています！この人の作るギターって派手派手しさは無いんですが、何とも堅実と言うか、しっかりとしたサウンドで好感が持てます。かと言って昔の日本製のようなゴツゴツとした武骨なサウンドでは無く、芯のしっかりした出音にふくよかな倍音、しなやかな音の弾力性があり、弾いていてとても気持ちよくなるサウンドです。フラットピックで掻き鳴らせば、ズンッと響くローにパワフルでトルク感のあるミドル、艶やかで芯の太いハイなどが混然一体となり、なるほどブルーグラスに向いてそうなパワフルなサウンドを響かせます。フィンガーで爪弾けばツルンと艶のあるふくよかで奥行きのあるサウンドが秀逸で、マホガニーらしい透明感抜群のサウンドを奏でますので、ジャンルやプレイ・スタイルを問わず、ルーカス・ギターならではの高品質なサウンドをご堪能頂けます！
楽器のコンディションは、キズの類は少なく、かなりの美品コンディションですが、バックに1か所クラック修理があります。ボディー・バックのセンターから少し1弦寄り、ボディー・エンド部から9ｃｍほどクラックが入り接着修理されています。ぱっと見にはほとんど判りませんが、光にかざして見るとクラック部分の塗膜が少し荒れていてそれと分かります。しっかり接着され、裏からは補強のクリートも打たれていますので、強度的な心配はありません。また、過去にPUを搭載していて、エンドピンとは別の位置にエンドピン・ジャックを付けていたようで、エンドピンの横に黒い何かでエンドピン・ジャック穴を塞いでいます。通常ダブル・エンドピンにすると見た目なかなか目立ちますが、、この方法ならあまり気になりませんね。ボディー内にはケーブル類をまとめるフックがそのまま残されています。その他うっすらとしたウェザーチェックなども散見出来ますが、トータルで見れば全体的にはかなり綺麗なコンディションと言えるでしょう。
ネック・コンディションも良好で概ねストレート、現状での弦高は12フレット上で6弦側2.6ｍｍ、1弦側2.0ｍｍ程度とベストなセッティングになっています。サドルにもまだ充分な余裕がありますので、更なる弦高の微調整も可能です。フレットはローフレットに僅かな減りが見られますが、一番減っている箇所でもオリジナルの8～9割程度の高さが残っています。
日本では知る人ぞ知る的なルシアーですが、、、弾いてみればその完成度に大納得間違いなしの素晴らしい出来の逸品です！
モールド・ケース付き
SN:057